修理情報の公開

前々から考えていたのですが、修理の情報を、その都度公開することにしました。

公開するのは、商品名、修理箇所、何が原因で壊れたのか、その事に対する今後の対処、等です。

「そういったことを公開出来る程、修理が少ない事に自信があるのか」と思われるでしょうが、正直言いまして、逆です。「こんなに修理が多いのか!」と驚かれる方も多いかと思います。恐らくこれを公開することは、商売としてはマイナスかと思います。

数で言うと、一ヶ月に一つペースで修理は入って来ます。それは、革と糸とガラスで出来た贅沢品、ビーズ細工の商品の宿命だと思います。
しかしながら、持ち方、使い方によっては、一生どころか、数百年も使い続けることが出来ます。ラコタ等、ビーズ細工が生活の中に当たり前にある人達は、そういった扱いを熟知していますが、日本ではその知識は全く無いに近い状態です。
そこで、修理情報を公開することで、ビーズ細工品のうまい持ち方、どこが弱いのか、何に注意して持てばよいのかの情報提供、ヒントにもなってほしいと考えています。

また、僕はラコタの伝統的な作り方をベースにモノ作りをしていますが、「ラコタでは壊れないし、この強度で充分なのだけども、日本ではこれでは壊れる」といったモノも多くありました。こういった、予見することが難しいトラブル。また、根本的に考えが足りずに起こるトラブル。そして設計不良によるトラブルもあります。
そういった製作上の欠陥は、お客様、各取扱店様の協力のもと、常に改良され続けています。そういった改良の過程を見て頂く事、そしてマイナーチェンジのお知らせ情報にもなればと考えております。


さて、では第一回として、三ヶ月間ためていた修理品の情報を公開いたします。

1、 Round Key Holder
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症状 : かがりビーズほつれ。
原因 : 旧バージョンは土台とビーズ土台とで金具取り付け革をサンドイッチにして縫い付けていたが、それにより両土台が常に動いている事になり、結果的に急激な力がかかった時等に本体を壊す結果になっていた。今回の症状もそれが原因。
対処 : 新バージョンで解決済み。具体的には、金具取付部を、両土台に影響がまったく出ない、内部芯に直接取り付けることでトラブルを解消した。また、ビーズ土台がフェルトだということで不安視する声(僕自身の)もあるが、亀キーホルダーと違い、フェルトを接着剤で固形化するので問題は無いと思う。
 
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修理費用 : 無償

2、 Loom Keyholder
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症状 : ビーズ土台の脱落
原因 : 不明
対処 : このキーホルダーの特性上、取り付けにこれ以上の強度を持たせる事は不可能。以前にかがりの先端のビーズがほどけるトラブルは頻発したが、それは対処済み。今回のものはそれとはまったく違う症状だが、正直な話、これは使い方による部分が大きいと思う。
しかしながら、キーホルダーというモノの特徴を考えれば、踏まれることもあると思うし、今後の対策の必要性も感じるものである。現状を見せて頂けた事に感謝する。
なお、この商品は理想的な革が入手出来ないため、現在生産中止中。
修理費用 : 有償

3、 Chain
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症状 : 取付部破損、ユニットずれ。
原因および対処 : チェインの特性上、何かあった時にここが切れて力を逃がす様、一部を弱く(革を梳いて細くして)作っていた。その部分が過剰に弱かったため。
対処 : 「安全装置」を過剰に考えていたが、想定外の力がかかった場合、どれだけ頑強に作っていても、編んでいない限り芯の革ひも自体が切れる。そこで現在のものは革ひも本来の強さを出すため、革ひもに穴等をあけずに結ぶ様にしている(見た目は前のモデルの方が良いが)。また、現在のモデルは、この革ひもよりも1ミリ厚いものを使って、より頑強さを増した(現モデルへのアップグレードは有償)。
ユニットずれは座った際に踏んでねじることによって起こる。ユニット内破裂を起こさないために、ビーズを土台に固定する箇所を減らしてフレキシブルにしていたのだが、その安全装置が過剰に働いて起こったトラブル。フレキシブルさを失わず、固定する方法を開発したので、今からのモデルには起こらないと思われる。ビーズチェインは、一カ所を強化すると他に歪みがくるので、非常に難しい商品だが、次第に完璧になりつつある。
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修理費用 : 無償

4、 Turtle mini porch
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症状 : シッポ部分の緩み。
原因 : 革の伸縮についていけず、時間経過で糸が余ってしまった。
対処 : どこも切れていないので、対処が難しかった。一旦しっぽの糸を切って、焼いて固定したが、焼き尻が残ってしまい、どうにも不格好になってしまう。
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そこで焼き尻を飛ばし、次に繋がる箇所を補強する事で、伸縮にも耐えられる様、スタビライザーにした。
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次回からの対処として、手足しっぽと連続して行かずに、毎回甲羅に戻る必要を感じた。その分時間がかかってしまうので、少々の値上がりがあるかもしれない。
なお、現在この商品は革をブレインタンに変えて販売中。白革版は理想的な革が入手できないので廃版中。
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by oglala | 2007-03-22 20:49 | 修理情報
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