Parfleche knife sheath

生革(注:生皮ではありません)に幾何学模様の絵を描いた工芸品はParfleche(パーフレッチェ)と総称されています。
その昔、食料等の保存容器としても使われていたので、「フレッシュ」に「保つ」という意味と勘違いされていますが、それは間違いで、本当はフランス語の「parer(受け流す)」と「fleche(矢)」が合わさった言葉で、つまり弓矢除けのシールドという意味です。勿論シールドが生革で作られていた事からきています。
このパーフレッチェはシールドや食料の保存容器の他にも、衣装入れや小物入れ等、様々なものに使われており、男女問わず平原族の日常生活に欠かせないものでした。

パーフレッチェの制作は女性によるものと決まっていたそうです。本来、幾何学模様はパーフレッチェに限らず女性によるものと決まっていたそうです。しかし居留地に入り外部にも工芸を交易する様になり、そういった決まりはなしくずしとなり境界が曖昧になりました。しかしパーフレッチェに関してはかなり近代までその決まり事が守られていたそうです。
ちなみにティピやシールド等と違い、パーフレッチェに描かれる模様は、家族や個人を表すものとはちょっと違い、おおまかにバンドやグループ単位で似通っていたり流行があったりする程度だったそうです。これは男性のビジョンによって作られるものでは無い事に関係があるそうです。


さて、前々回の記事で、アメリカの取引先から猟用ナイフを二本買って、その内の一本、解体用ナイフの鞘を作った話を書きましたが、もう一本のナイフの皮剥ぎ用「skinner」ナイフに関しては違った意匠のものにしたいと思っていました。
考えとしてはビーズを一部に施しただけか、もしくは全くビーズをやっていないものが良かったのです。
そこでパーフレッチェにする事にしましたが、ちょっとしたいたずら心で絵はアシスタントに任せる事にしました。伝統に添って、女性の手で作らせたいという思いがあったからです。

アシスタントへは「これは女性にしか出来ないもので俺は指示を出してあげられないから、自分なりに良いと思う様に描いて欲しい。ただ、グループ毎に柄に似通いがあった方が良いから、俺が普段よく使っている模様を発展させる等して組み合わせていってくれたら嬉しい。あとは上手く描かずに力を抜いて、適当にヘタクソに描いて欲しい」とリクエストしました。
というのも、アシスタントは芸術科の油絵学科の卒業生。先生の資格も持っています。真剣にやられるとパーフレッチェ特有の味が出ません。

ということで何度も「出来るだけヘタクソにな」と囁いてはいたのですが、やはり何と言うか、格調のある絵に仕上がりました(笑)。
しかし組み上げてみると、それが案外功を奏していて、とても良い雰囲気になりました。
現存している平原族の昔のパーフレッチェも、案外制作当時はこんな雰囲気だったのではないかと思われます。

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ちなみにパーフレッチェで作ったシースは、一つのシースで、あらゆる大きさのナイフに対応出来る上に、中のナイフが絶対(に近いぐらい)落ちないという利点があります。弱点は生革なので水に弱いことです。
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by oglala | 2009-01-28 14:03
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