<   2013年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧

ブレインタンの革ひもの販売

弊社ブレインタンの革ひもを販売することになりました。一本3000円。一頭につき、多くて30本ぐらいの革ひもをとる事が出来ます。長さは大体100cm前後です。分厚さは各々の鹿によって異なります。革ひも用の鹿革が鞣し上がっている時のみの販売です。
一頭一頭の鹿には個性があり、ブレインタンの革ひもにはそれが鮮明に出ます。最も原始的な鞣し技術の一つであり、非常に荒い野性的な風合いなので、そのまま首や手首に巻くだけで雰囲気が出ます。自分自身で装飾を加えて、特別なアクセサリーとして進化させ続けるのも良いでしょう。例えばウィンターカウントの様に、1年または区切り毎に何か一つずつその年に起こった事を思い出せるトンボ玉等を加える。ハンターの方であれば思い出深い獲物のパーツを加える等。私は下の写真の様に、鹿の骨で作ったペーパーナイフを単純に結びつけ、普段はブレス、邪魔になる時はネックレスにして使っています。なお、この革ひも用に、何か動物のパーツ等が必要な方は、お問い合わせ、ご予約、御発注時にご相談下さい。
e0114851_1192541.jpg

まずは一頭、革ひも用の革を、明日から最終的な鞣し行程にかけますので、順調であれば2週間以内に最初のロットが出来上がります。次回はこの最初の鹿の売れ行きによって考えます。予約可能ですので、必要な方は、弊社まで必要本数とお名前ご住所等を明記の上、こちらまでメールにてお申し込み下さい。




<弊社ブレインタンの特徴>


・ブレインタンが日本で極めて入手しにくく(国内で本格的に鞣しているのはうちぐらいらしい)、またどういった方法で殺されたか、どんな鹿だったのかが分からないまま材料として革を使うのが嫌だったので、自分で猟と鞣しを始めた。

・都会から山中に住居を移し、自分の山の中に住む鹿のうち、自ら間引きすべき鹿を選び、自ら苦痛を与えず仕留めた鹿のみを使用している。

・最も原始的な北米インディアンの技術によって自らの手で鞣している。

・一切の薬品、アルカリや機械などを用いずに鞣されている(おすすめはしませんが食する事も可能ですーあまり美味しくないですー。うちではペットが欲しがるので時々切れ端をあげています)。

・本来ブレインタンに向かないニホンジカが使用されている。アメリカの鹿族に比べて非常にキメが細かく丈夫。

・薄目だが、故に革ヒモにした際に正方形になりにくい(一番分厚い背の部分に近いと厚さが勝つ)。

・一頭一頭の個性が出るので、革ひも一本一本に個性がある。逆にいうとムラが激しい。色の濃淡の指定が出来ない。

・水や汗に濡れても生皮の状態に戻らない(多少硬くなりますが、揉むと元に戻ります。ただし常時着けっ放しで風呂等にも入ると細菌が繁殖し、かぶれる事があります=下の「実際に何年も使用してみて」を参照)。



<弊社ブレインタンに使用される鹿について>

弊社ブレインタンは、弊社代表の岡居宏顕が、自分の山に来るニホンジカの内、間引きしなければならない個体を1年を通じた観察の中から特定し、それを自ら鉄砲で仕留めて使っています。
特定の基準は、例えば子鹿を引率している母鹿を撃たない、グループのリーダーを撃たない、ハーレムを構成している「なわばりオス」を撃たない等、その他にも大変に細かいルールを自ら課しています。また、その死が他の個体や環境にとって最善に成る事を第一に考えています。
例えば、増えすぎた鹿は周辺の生態系が崩壊するほどに下草を過剰に摂取してしまいます。その結果、生態系のバランスが乱れるのみならず、鹿自身が飢えてしまい、小型化する傾向にあります。また大型の鹿ばかり獲ってゆくと小型化している遺伝子のものばかり残す事にもなります。更に、農業に被害を与える個体を優先的に獲る様に気を配っております。
また、もらう命への敬意を忘れない様に、可能な限り苦痛を感じさせない部位を撃ち、恐らく自分が撃たれた事すら知らない様な死になる様、日々射撃技術の向上に励み、現実にそれを可能にしています。故に、その猟のスタイルは、犬すらも使わない独特な単独猟であり、狙った個体が休憩している場所に忍び寄り、最善のタイミングで狙撃しています。
これらの命を頂く期間は極限られており、猟期入りする11月15日から、雪が積もる12月末までです。本来猟期は2月15日(現在は鹿が増えすぎているため3月15日に延長されています)まであるのですが、雪が積もると途端に皮が薄くなってしまうため、命を奪う為の個人的な大義名分を失ってしまうからです(増えすぎた鹿の駆除活動自体は、通年通して行われる市の有害鳥獣捕獲活動に従事することで果たしております)。




<弊社のブレインタン(脳漿鞣し)に関して>


弊社のブレインタンは、一切の機械、薬品やアルカリ等を使わず、北米インディアンが行っていた内の、最も原始的で体力勝負の手法によって、岡居宏顕が自ら鞣します。しかしながらニホンジカと北米の鹿類とは種類が違い、ニホンジカの方が非常に薄いため、本来手作業のブレインタンには不向きです。それ故、ニホンジカ特有の手法を自ら編み出して工夫しております。
以下、弊社ブレインタンの簡単な行程を解説します。

=仕留められた獲物=

上の様な方法で仕留められた鹿は、その場で解体され、皮や肉、一部の骨や頭骨など、必要なパーツをアルミ背負子に載せられて山から降ろされます。その他のパーツに関しては、その死を必要としている各動物や鳥などに供するため、各々がとりやすい状態にして置かれます。

=皮の最初の処理=

まず冷たい川の水に半日浸し、ある程度落とせるダニ等を落とし、よく洗っておきます。それが終わったら岩等にかけて脱水。それを丸めてビニールに入れ、マイナス30度以下で冷凍。

=前処理=

春になり、洗濯物の乾きやすい時期になったら冷凍庫から取り出し、解凍して皮の裏についている肉や脂肪、メンブレンと呼ばれる膜などを取り去る。その後、各々の皮に応じた方法で毛と表皮を削ぎ落とす。その後自然乾燥。

=なめし=

そこそこ乾燥し、しかも乾燥しすぎない気候になるまで待って、パリパリに乾燥した皮に水分を戻す。完全に戻ったら、持ち帰っていたその鹿の頭骨の中の脳みそ(脳漿)のみを水に溶かし込んだ溶液に漬ける。充分に浸透させる。ここで「皮(生皮)」が「革」へと変化する。

=伸ばし=

そのまま放っておくとパリパリの状態に戻るので、乾くまで無休で全身を使って伸ばす。一回では柔らかくなりきらないので、柔らかくなるまで、何度も何度も鞣し液に漬けて伸ばすのを繰り返す。

=燻し=

楢やクヌギの樹を使って燻す。この作業によってタンニンが定着し、鞣しが完了する。この作業を経た革は虫や細菌が付きにくく、水に濡れても生皮に戻らない(少し硬くなるが、軽く揉むとすぐに戻る)。




<実際に何年も着けてみた説明>

過去に、弊社の商品に使用するに際して、自ら革ひもをウデに巻いて、風呂にも外さずに装着し続けて、どうなるか実験した事がありました。半年ほど行ったかと思いますが、最終的に破損等は無かったものの、風合いは革には見えない程変化しました。味はありましたが見た目汚い感じはありました。また毎日風呂に漬かったり洗われたりしたため、スモーク成分も落ち切って、最後は細菌も繁殖していた様に思います。空気の乾燥が始る秋頃に手首がかぶれてきたので装着を終了しました。この様に、革にしては水にも大変強く、恐らく着け続けていたら何年でももったのではないかと思われますが、やはり衛生上、水には漬けられない事をお薦めいたします。
[PR]
by oglala | 2013-07-25 11:17